普段の経理に管理会計の概念を導入してみよう!

小規模企業者の管理会計1

管理会計は難しくない

 

管理会計(Managerial Accounting)は、算式を用いたりするものもあるため「難しい」という印象を持たれている方がいる。確かに大企業が利用しているような管理会計の一部には、難しい部分もある。しかし、中小企業が利用して有効な管理会計は、難しいものではない。例えば、前期と当期の売上比較を行ったことはないだろうか?この前期と当期の売上数値を用いて計算する売上成長率のモニタリングも立派な管理会計である。知らず知らずのうちに一部の管理会計の概念は、中小企業でも使われているのだ。

 

管理会計のメリット

 

管理会計のメリットはさまざまあるが、基本的なものを挙げると下記の通りである。

 

経営がみえる

例えば、目標値(適正値)を定めておけば、今期の業績と目標値(適正値)とのかい離が一目瞭然で把握できる。また、会社の健康状態が把握できるので、経営判断の精度が一層高まる。

 

将来がみえる

毎期固定的に発生する経費を把握できていれば、経営者の肌感覚から来期の売上はこれくらい、粗利はこれくらいになるだろうから固定的に発生する経費を除けば、税引前利益はこのくらいはでるだろうといった1年後の業績予測が可能となる。良い面も、悪い面も事前に対策を講じることが可能になるため、より効果的な会社経営が実現できる。

 

課題がみえる

将来の利益が予想できるということは、具体的な経営課題が浮き彫りにすることができる。(売上を増やすor経費を減らす。その為にはどう行動をとればいいのか?)重要度別に優先順位をつけて経営課題に取り組むことで、会社を成長・安定させることができる。

 

効果がみえる

経営課題に取り組んだ結果を数値として把握することできる。自ずと経営改善効果の検証と実行のPDCAサイクルが生まれ、受け身の経営から攻めの経営にシフトすることができる。

 

なぜ管理会計が小規模企業者で積極的に利用されないのか

 

上記であげたようなメリットがあるにも関わらず、小規模企業者で管理会計を積極的に利用しているという話は、あまり耳にしない。利用されていない理由は、いくつか考えられるが、一番の理由は、作成が強制ではないということである。

銀行に提出したり、税金計算に利用されたりしている決算書は、企業の経済活動を外部に報告するための会計「財務会計」(Financial Accounting)のルールに乗っ取って作成され、その作成は強制である。

一方、「管理会計」は、経営者や管理者に向けて必要に応じて経営に役立つ各種の会計情報を作成し、報告するための会計であるため、作成は強制ではない。作成が強制でなければ、強制のものを優先するのがあたりまえである。確定申告の締め切り直前になって慌てて作成している人もいるように、経理自体を後回しにしている小規模企業者も多いはずだ。

では、強制である「財務会計」の作成の中で、「管理会計」のうまみを利用できればどうだろうか。次回は、「管理会計」のうまみを利用するために、現状の「財務会計」のルールがどうなっているのか、なぜ「小規模企業者」という言葉を使っているのかなどについて触れていきたいと思う。

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