夫婦で住宅を購入 贈与

こんなケースでも贈与税がかかる -夫婦で住宅を購入したとき-

※平成29年41日現在法令等に基づき記入しています。 

住宅の購入は非常に高額なこともあり、その購入資金を夫婦共同で負担する場合があります。そのようなときには、実際の購入資金の負担割合と所有権登記の持分割合に注意してください。

 

7:妻3の割合で住宅を現金一括購入した場合

 

所有権登記の持分割合が夫10:妻0の場合

 このケースは、夫が70%しか負担していないにもかかわらず、100%の所有となっているため、妻の負担分(30%の金額)が妻から夫に贈与されたとみなされます。仮に3,000万円で住宅を現金一括購入した場合、夫は2,100万円、妻は900万円負担することになります。しかし登記上は夫が100%所有しているとなっているのですから、妻から夫へ900万円の贈与があったとみなします。

 

所有権登記の持分割合が夫5:妻5の場合

 このケースは、妻は30%しか負担していないにもかかわらず50%の所有権を持っていることになるため、夫から妻へ20%分の金額の贈与があったとみなされます。上記のケースと同様に3,000万円の住宅だと仮定すると、妻は900万円(3,000万円×30%)しか負担していないのに、1,500万円相当額(3,000万円×50%)の所有権を持つことになります。したがって、夫から妻へ600万円の贈与があったとみなします。

 

所有権登記の持分割合が夫7:妻3の場合

 このケースは、住宅購入資金の拠出割合と所有権の割合が同じになるため、贈与税の問題は

生じません。

 

夫婦が連帯債務の住宅ローンを組んで住宅を購入した場合

 

実務上一番多いケースです。ポイントは夫と妻の所得の割合です。

 

所有権登記の持分割合が夫10:妻0の場合

夫名義のマンションのローンを共働き夫婦で返済したケースです。夫が所有権を100%持っていますので、妻の負担分は全額贈与されたとみなされます。その年のローン支払総額に、妻の所得が夫婦の所得の合計に占める割合を掛けた金額だけ、妻から夫へ贈与されたとみなされるわけです。

例:夫の収入700万円、妻の収入300万円、その年のローン支払総額400万円

 400万円 × 300万円÷(700万円+300万円) = 120万円

 120万円の贈与があったものとみなす。

 

所有権登記の持分割合が夫5:妻5の場合

夫婦の収入金額が同額だった場合、問題はありません。収入が違っている場合、拠出割合が違っているとみなされるため、その差分の金額が贈与されたとみなされます。夫の収入700万円、妻の収入300万円、その年のローン支払総額400万円だった場合、連帯債務では収入の割合と同じだけ支払っているとみなすため、夫280万円{400万円×700万円÷(700万円+300万円)}、妻120万円{400万円×300万円÷(700万円+300万円)}を支払っていることになります。しかし所有権は夫5:妻5ですので、そこから算出すると夫婦で200万円ずつ支払わなければならないことになります。そのため、その差額である80万円を夫から妻へ贈与したとみなされるのです。

 

所有権登記の持分割合が夫妻の所得の割合と同じ場合

 住宅購入資金の拠出割合と所有権の割合が同じになるため、贈与税の問題は生じません。

 

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